エスペラント教室Prilumi は、現在準備中です。

2021/06/29 07:43

エスペラントを勉強するとき、どういう勉強方法がよいのか、ひとによって異なります。


エスペラント教室プリルーミでは、原則的にはどんな方でも歓迎していますが、
その方の目的や条件(予算、環境、能力)に照らして、ほかの教室や学習方法を勧めることもよくあります。

今回はエスペラント教室プリルーミがおすすめする「目的別・条件別の勉強方法」をいくつかご紹介します。
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1.最小の予算で、エスペラントの概要を理解したい場合。
現時点で一番安く(無料で)、エスペラントの基礎を学ぶには、日本エスペラント協会が公開している「ドリル式エスペラント入門(その1・その2)」がおすすめです。音声や回答も用意してあり、ひとりで学習をすすめることができます。

■「ドリル式エスペラント入門」の良い点
この教材群の良い点は、無料で、かつステップバイステップで学べるようになっているところです。
のちにご紹介する白水社「ニューエクスプレスエスペラント語」は会話形式で進めていくのですが、エスペラント語の学習には文法の項目別にまなぶのが多くの人にはわかりやすいと思います。

■「ドリル式エスペラント入門」の悪い点
ところどころ変則的な単語がでてきて、学習者によっては「???」となるかもしれません。
そのような場合は、わからないところをメモしておいて、あとでプリルーミの1回レッスン(3500円/1h)やお得な1か月レッスン(8000円/3h)を受ければ、独習であっても効率的に基礎力を確かなものにすることができます。

最も安く、基礎に限定して学びたいという方に、私が最もおすすめする方法は「ドリル式エスペラント入門」と「プリルーミのレッスン」のハイブリッド方式です。

なお、プリルーミのレッスンのかわりに無料でサポートをうけたいという場合には、「ドリル式エスペラント入門」のブログで質問することができるほか、地域のエスペラント会によっては学習相談が全く無料という場合もないとは言えませんので、ぜひ調べてみてください。

すべて無料でやる場合の注意点はSNSです。長らくTwitterをはじめとするSNSやエスペラント語のメーリングリストを観察してきましたが、それらの場所で得られる回答には信ぴょう性に問題がある場合が少なくないようです。またベテランの方の場合、知識がすこし古い場合もあり、それも味なのですが、私個人はあまりおすすめしていません。

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2.1万円程度払えるので、通信制講座の添削を受けたり、音声チャットで相談しながらエスペラント語の概要を理解したい
・「基礎レベル」に限って効率的に理解したい
・だれかに基礎的な事柄について(音声チャットやメール)質問したり、添削してもらいたい
・1万円程度払うことができる
上記3点を満たすひとにおすすめなのが、沼津エスペラント会が運営する「初級エスペラント通信講座」です。

■「沼津エスペラント会 初級エスペラント通信講座」の良い点
エスペラント語の基礎に限って、効率的に学びたいという方におすすめなのがこの講座です。
1課あたり1~2時間程度でできる20ページの内容で、全部で16課あります。
毎日きまった学習時間を取れる人なら2週間から1か月でエスペラント語の基礎を効率的に学ぶことができるでしょう。
本当によくできていると思います。
また音声チャットやメールでいつでも質問できるのもうれしいところです。

■「沼津エスペラント会 初級エスペラント通信講座」の悪い点
「沼津エスペラント会 初級エスペラント通信講座」の悪い点はとくにありません。ただしこれまで受講してきた方に対応してきた経験から、中級エスペラント通信講座は勧めません。無料公開されている内容をみて、この内容を沼津エスペラント会で添削をうけつつ学びたいというひとは入会してみてはいかがでしょうか。

これにつづく「沼津エスペラント会 中級エスペラント通信講座」を受講したり、『はじめてのエスペラント』、『エスペラント中級独習』で勉強したうえでプリルーミを受講される方が一定以上おられるのですが、とくに真面目に学びたいという方には、現在私は個人としてはこれらを積極的にはおすすめしていません。「初級エスペラント通信講座はすばらしい、しかしそれ以外は残念ながらすすめられない」というのが2021年9月時点での私の見解です。もちろん、異なる見解をお持ちの方がいらっしゃる可能性は否定しません。沼津エスペラント会の通信講座は、自分でさまざまな調べ事をして、的確に質問することができるひとには学習の場となりうるかもしれません。講師に本気で向き合い、自分の(わからないと思うことの)すべてをぶつける覚悟と気迫をもって臨まなければ、16課はあっという間にすぎてしまうでしょう。「通信講座」とはいえ、中の人は人間なので受講者の「覚悟と気迫」が学習のカギとなります。ただ、まじめに勉強したいひとにはお勧めはしません。

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3.英語、スペイン語、フランス語、中国語を話せ、無料でエスペラント語の基礎を理解したいひと
・英語、スペイン語、フランス語、中国語のいずれか、または複数の言語が話せる
・無料でエスペラント語の基礎を学習したい
上記2つを満たす人におすすめなのが Duolingo です。
サイトで学ぶほかに、アプリもあり、隙間時間に学習をすすめることができます。

■「Duolingo」の良い点
Duolingoのメリットはなんと言っても完全無料であることです。またランキングやコミュニティもあり、それらに没入できるひとには十分におすすめできます。

■「Duolingo」の悪い点
「Duolingoが終わったひとがどのくらいのレベルになるか」、一時期、エスペラント語話者の間でもよく議題にあがっていましたが、私自身も観察する限り、あくまでも「基礎レベル修了程度」というのが実情のようです。したがって、のちにご紹介する2冊の本を組み合わせたほうが効率的な学習という点では軍配があがる可能性があります。

Duolingoの上記の問題点をおぎなうために、現状は英語のみの対応ですが、Facebook上にDuolingo Learnersというグループがあるので、そこで質問することができます。ぜひ活用してみてください。英語はおおむね中学レベルなので、中学レベル英語の復習のためにDuolingoでエスペラント語を学ぶというのも良いかもしれません。

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4.3500円から7000円程度なら出せるので、あくまでも信頼できる本で学びたい
あくまでも本で学びたいというあなたは、私と気が合うかもしれません。(笑)
そんなあなたにおすすめな本がつぎの2冊です。

■2冊の教科書の良いところ
『ニューエクスプレスプラスエスペラント語』(以下『ニューエク』)を文法書がわりにして、『エスペラント四週間』をテキストにして、両者を行き来するのが本で学びたい方にもっともおすすめの組み合わせです。概要を知りたい場合には『ニューエク』だけで良いと思います。

『エスペラント四週間』(以下『四週間』)がすぐれているのは、エスペラントの原作文学で構成されている贅沢なつくりになっている点です。最後までやれば、原作詩から翻訳文学、原作文学まで読めてしまいます。これだけでも『四週間』は3300円の価値があると言って良い。この点、『ニューエク』は文法事項を無理やり20課のなかに押し込めたような例文で、正直、テキストはところどころよくないです。ただし『ニューエク』は文法の解説がとても簡潔でわかりやすく、初級レベルの内容を効率的に学ぶには「素晴らしい文法書」と言えます。

■2冊の教科書の悪いところ
まず『四週間』は誤植があります。しかし初心者でも気づくような、笑ってしまうような誤植なので、大きな問題はないはずです。また原作文学なので容赦ない面もあります。ただし、著者の大島義夫は原作の文法的な誤りをさりげなく直していたりして、配慮はされています。またこの本は戦後に出た本が版を重ねているため、当時の時代状況が色濃く反映されています。そこも含めて楽しむ本と考えるべきでしょう。また『四週間』にはCDなど音声教材がついていません。『ニューエク』の悪いところはすでに書いた通りです。

『四週間』や『ニューエク』で学んだら、プリルーミの1回レッスン(3500円/1h)やお得な1か月レッスン(8000円/3h)を受けてみるのも良いですね。

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5.プリルーミで勉強する方法
さまざまご紹介してきましたが、もちろんエスペラント教室プリルーミの個別レッスンで学習する方法もおすすめです。発音、単語解説、文法解説、読解、創作など広範に助言し、その人の目的や夢にあわせて、エスペラント語の世界を楽しむ手助けをしていきます。

■「プリルーミ」の良いところ
個別レッスンで、細かく指導できる点がプリルーミの良いところです。
またテキストは受講者の方に合わせて作成し、確認テストなども充実しています。

■「プリルーミ」の悪いところ
講師である私が寝坊していたことがあり、寝坊を憎むひとにはまったくお勧めできません。
またネットでの受講のみなので、ネットに接続できないひとは受講できません。ただし、必要に応じて画面共有し、パソコンの使い方も指導しています。
月曜日・水曜日・日曜日は午前中・午後のどちらにも対応できますが、それ以外は早朝・朝あるいは夕方以降となり、時間が合うかどうか事前に確認していただく必要があります。
エスペラント教室プリルーミは個別レッスンのため、対応できる人数も限られており、受講しようと思ったときに締め切られていたという苦情のレビューもいただいています。
またその方にあわせた課題を出すので、「特訓」が苦手なひとには向いていません。ざっとエスペラントの概要だけ知りたいという方には必要のない事柄であるため、そのような方には上記の教科書がおすすめです。

「人間、寝坊することもあるよね」という寛容な方には、プリルーミでの学習がもっともおすすめです。
エスペラント教室プリルーミでの学習については、お気軽にご相談ください。
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6.番外編
ここに紙の辞書を求める声もあるでしょう。学習初期におすすめなのは、『エスペラント小辞典』4180円です。掲載されていない語根もさまざまあるとは思いますが、コンパクトで、日本語・エスペラント語辞書も含まれ、引きやすいです。辞書は何冊あってもよいと考えるみなさんは、ぜひあらゆる辞書に手を伸ばしてみてください。(公共図書館にある場合もありますね。)
もちろん、辞書はネット上にも無料のものがあります。実用エスペラント小辞典はおすすめです。

以上、ざっと考えられることを述べてみましたが、いかがでしたでしょうか?
「とりあえずエスペラント語は基礎だけざっと学びたい」という方を想定したお勧め学習方法をご紹介しました。

さまざまな学習方法を比較して、ご自身にもっとも合ったエスペラント学習をみつけるための参考にしていただければ幸いです。